大卒の平均年収が高卒よりも高い理由は母集団の違い【稼げる人が大学へ行っているだけ】

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大卒の生涯賃金が高いから大学へ行くと稼げる

的なことを言っているサイトを、個人からマスメディアまでよく見ます。
ただ、生涯賃金が高い理由について取り上げているサイトはほとんどありません。
当サイトでは、大卒の平均賃金が高い理由の7割程度は、
稼げる人が大学へ進学するからだと考えています。

大卒の平均年収が高いのは、賃金が高い有能な人や関東人の割合が多く、
彼らが賃金を引き上げています。

平均は、大学入試の模擬試験で言えば「偏差値50」です。
テストは満点がありますが、賃金には満点がないので、さらに差が開く。
平均値>中央値なので、実際は上位40パーセントくらいが平均値になるでしょうか。
半数の大卒は平均値に届かないとお考え下さい。

大卒の場合、スタートラインも人によってかなり違い、他学歴に比べても、格差が激しいです。

母集団の違い=優秀な人はほぼ大学に進学する

高卒と大卒では母集団の構成が大幅に違います。
進学校出身の優秀な人はほぼ大学に進学します。
たとえば、東大に行ける学力があるのに大学に進学しない人はまれです。

簡単に言うと、

「エリート候補は、ほとんどが大学に進学する」

仮に学歴による機会等に違いが全くなかったとしても、
母集団の違いで差が出てきます。

大卒エリートが入れる枠数はほぼ決まっていて、有名大学を出た人たちが取り合う構図です。
景気などによって異なりますが、一定数は年収1000万を超えるような大卒エリートサラリーマンが出ます。

稼げる大企業に就職したガチなエリートがどれだけ稼いでいるかは
以下の記事を読んでいただければわかるかと。
こういう企業の人たちが平均値を引き上げているのでしょう。

「総合職の平均年収が高い会社」ランキング300(東洋経済)

これですら、このような理由で多いのにランキングに載っていない企業もあります。
実際はエリート層が稼いでいる額はもっと多い。
大卒の8割は大企業に入れないので、これらとは無縁です。

●平均賃金は課税前所得で計算される
平均賃金の計算には、課税前の所得が使用されているようです。
特に所得が多いエリートは多額の税金が課されるので、課税後の所得の比率は所得が低い人より少ない。
可処分所得は手取り賃金で決まりますし、
そちらで計算すればエリートの影響が減って、高卒と大卒の差は縮まると思います。

親が金持ちな人も大学進学率は高い

「親が金持ってる」というのはかなり有利です。
文化資本やコネクション等々…
大学に行かせる金はあるので、特に男性は大学進学率が高いでしょう。
主に、奨学金を借りていない(大学進学者のうち)半分の人たちですね。
世代の割合で言うと約4分の1くらいの人たちがそれに当てはまります。

大卒と高卒の母集団の違いを例えると

10人の集団だとして、野球に例えると大卒と高卒はこんな感じになります。

A:大卒を想定
プロ野球選手1名、社会人実業団の野球選手2名、野球経験者2名、普通の人3名、運動不足の元帰宅部2名
B:高卒を想定
野球経験者2名、普通の人3名、運動不足の元帰宅部5名

どちらが平均的に野球がうまいか、と問われると断然Aでしょう。
Bの野球経験者は高卒で大手や公務員などに行く人たちです。大卒でも少なくても半分以内(偏差値50以上)に入れる実力がないと高卒でそういったところに行くのは難しい。
Bで足を引っ張るのは「運動不足の元帰宅部」の多さです。そのうち0.5名くらいは運動不足を通り越して引きこもりに近いですね。引きこもっているから大学に行けなかった人たちもいるわけ。
運動不足の元帰宅部が形だけAに入っても、運動不足の帰宅部であるという実態には一切変わりありません。

当ブログはその2割の人たちに向けて書いている部分が大きいです。

高卒より稼げない大卒もいる

3割程度、高卒より稼げない大卒が存在しています。
学歴だけ身に着けても、中身がなければそうなるだけです。

東京近郊に住む大卒の割合が高い

大学生の約3割が東京の大学に通っているというデータがあります。
南関東を含めれば4割。
南関東で比較した場合、1割ほど総人口より割合が高いです。(参考)

他地域に比べ、関東の賃金は高いです。(同じ学歴であっても)
関東に住んでいる人が多い影響で大卒の平均賃金が上がっていると考えられます。

田舎の文系職は、公務員などの一部を除いて本当に稼げません。
男性の場合、高卒の工場員やトラック運転手のほうが賃金が高いくらいです。

都道府県別の各学歴の平均賃金が公開されていればわかりやすいですが、
それすら公開されていないのが実情です。
ホワイトカラー(オフィス職など)、ブルーカラー(工場など)という区分で都道府県別に公開されているものはあります。
しかし、大卒とは限らない点と、地方のほうがホワイトカラーの需要が少ないので、
高卒大卒の比較には使いにくい。

同じ系列のコンビニで日中にアルバイトとして働いたとすると、時給は
大学進学率が低い鹿児島県(鹿児島市)では800円
大学進学率が高い東京都(立川市)では985円

同じコンビニで働いても時給185円の違いがあります。
日給(8時間働いたと仮定)で1480円、
月給(22日働いたと仮定)で32560円東京のほうが上です。
年収換算すると39万720円の違いがあります。これはかなり大きいですね。
「ほぼ同一労働」であるコンビニのバイトでもこの結果です。
需要に大きな差がある大卒文系職だと、差は更に大きいでしょう。
(某求人サイトより。立川は2件あったので少ないほうを選びました。
都心は住んでいる人が少ないのに需要が高い、特殊な事情があるので
立川で比較しました。2018年11月現在。)

因果関係があるとは限らない

「AとBは原因と結果の関係」ということを「因果関係」といいます。

ただ、データ上、関係がありそうですがないこともある。
明確に因果関係があると証明することはむずかしいことです。

たとえば、

〇〇を持っている人は幸福度が高い

というデータがあるとして、
〇〇を持っている人に金持ちが多いとします。

〇〇を持っている人の幸福度が高いのは、○○による影響ではなく、
持ってる人が金持ちだからじゃないか

となりますね。この場合は、因果関係があるかどうかはわからないです。
ない可能性が高い。

たとえば、がんの発症率や生存率などを過去と比較する際、
そのままだと、年々高齢化社会になっていっている影響のほうが大きいので、
年齢調整率を掛け合わせています。
「高齢化の影響がデータに影響する」ことを認識して、データの出し方を工夫しています。

大卒の平均収入も、

  • 母集団の質が圧倒的に高卒よりも良いこと
  • 稼げる地域の在住者が多いこと

を無視して考えてはいけないと思います。
年齢調整率のようにこれらの要素を掛け合わせれば良いのでしょうが…

もちろん、大卒しか応募できない職業はあるので、因果関係は0ではありませんが、
100とは言えません。

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