進学

大卒の3割の年収は高卒平均以下【高卒よりも稼げない大卒】

今回は、

大卒になれば高卒よりどれくらい稼げる?

というテーマで書きたいと思います。

データを見ると、皆さんの予想に反して、

「一部エリート(大卒の2-3割)以外は誤差」という結論になります。

イメージほどはエリート以外の大卒は稼げていません。
しかも稼いだ分だけ税金+年金などがとられるからさらに差は縮まる。

40代正社員男性の年収の分布について書かれたこの表 を見て論じていきます。

40代男性の平均年収は、高卒と大卒の差が最もつくところです。
なお、高卒のほうが4年間早く職に就くため、
同じ年収なら高卒のほうが生涯賃金が高い可能性が高いです。

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2-3割程度の大卒は高卒の中央値に到達できない

表を見ればわかると思いますが、
2-3割程度の大卒は高卒の中央値(380万円くらい?)に達することができません。
すなわち、高卒以下の(賃金的)条件で雇われている。

※各年収の割合がわからないので、3割とは断定しきれませんが、高卒「平均値」なら確実に3割は達していないと言い切れるだろう。

「Fラン大生は高卒と同じ職に就く」と再三このブログで言っているのはそういうこと。
もちろん、Fラン大生は下位3割以下になる可能性はかなり高いです。

40代になって380万円以下。これが現状です。

この時点で結論としては、

能力がない大卒は40代でも年収300万円代にとどまる

といえます。
(ただし、田舎住みなど、別の事情がある場合も)

もちろん彼らは氷河期世代の可能性が高いが、

  • 氷河期世代は高卒のほうが影響が大きかった(単純労働が機械に置き換わったため)
  • 正社員に限られたデータである

という2点を考えると、それによる影響は最小限にとどまりそう。

婚活で「年収600万は高望み」と言われる現状

婚活市場では
年収600万は希少種で、
年収400万ですら「普通」と言われる。
大半が大卒平均なんて稼いでないから。

「大卒は高望み」ではなく、「年収600万は高望み」である。
大卒のほとんどがそこに到達しないから、そういう言い方になる。
婚活市場の場合は年収が高いほうが売れていくから、ではあるが。
それでも大卒は希少ではなく年収600万が希少なのはそういうこと。

中央値とトップ10%の差は高卒よりも大卒のほうが激しい

表を簡単に見てもらえばわかるけれど、

  • 高卒の中央値と高卒のトップ10%
  • 大卒の中央値と大卒のトップ10%

を比べた場合、大卒のほうが差が大きいです。

これが、
「大卒は一部のエリートが平均値を引き上げている」
という意味です。

大卒の平均賃金は一部エリートが引き上げているから、大卒になっても平均賃金が稼げるわけではない
とこのブログではずっと主張していますが、その通りのデータといえます。

エリートに富が集まりやすいという。

大卒の中央値と高卒の中央値の差は100万程度

大卒の中央値と高卒の中央値の差は100万円程度になります。
この差が新卒から退職まで続いていると仮定すると
計算上は大卒年齢以降は4800万となる。
高卒の社会に出るのが早かった4年間の賃金と大卒の学費を考慮すると3800万くらいかな。

ただし、収入が高いと税金で持っていかれるので、ここまでの差はつかないことは留意。

注意が必要なのは、

大卒の中央値になるほうが難しい

当然、大学に行く人のほうが平均的にレベルが高いので、中央値のレベルも高い。

となると、やはり一般人にとって「賃金面では」大卒か否かは「誤差」。

エリートの場合は大学へ行くうまみがある

この表を見て、最も大学へ行くうまみがあるのは、

やはりエリート層です。

むしろいかないと大損。

社交性、体力(メンタルを含む)、学力に恵まれた人は、大学へ行って得しかないです。

彼らに関してだけいえば、借金をする価値は十分にあります。

ただし、こういった人たちが「大学へ行って得をした」理由は、
彼らのスペックがよかったから、というのが最大の理由であることを
僕ら一般庶民は理解しておく必要があります 。

残念ながら彼らのようになれるのは一握りの大卒。
そうなれない人のほうが多い。

賃金面以外の「差」

もちろん、賃金面以外の差はあります。

ついている職種が違う。
稼いでいる高卒は「体を張っている」ことも多い。
いわゆる肉体労働というやつです。

もちろん全員ではないし、出世して総合職になれた高卒もいる。
優秀と認められたらそういう道がある会社もあるのは事実。

大卒の底辺ホワイトカラーもそれはそれで厳しい…
(いわゆるブラック企業というやつ)

肉体労働のほうが「基準がはっきりしている」という点でまだましかもしれない。
高卒は肉体的に厳しく、大卒は精神的に厳しい。
それだけ闇が深い現実があることは覚えておいてください。
借金もちで無防備にそういうところへ行くと、最悪メンタル等を壊しかねないので。

まとめ

エリート以外は「大卒の賃金的うまみ」は思ったほどない。

親が低所得で、頭がいいわけでも、リーダーシップに優れるわけでもない
という人がリスクを背負ってまで行くべきかといわれると疑問符が付きます。

それに加えて「明白な欠点」を持つ人はやめておいたほうがいい。
リスクがあまりにも大きすぎます。
基本的に特に大卒職では企業から嫌がられるので。
たとえば、コミュニケーションが苦手、陰キャ、朝起きられない、体が弱いなど。

もし失敗してしまえば、一族郎党が自己破産というリスクすらあります。
そうなると、土地で事業をしている農家などだと仕事を奪われてしまう
(それを防ぐには金が要りますが機関委任にしておきましょう)

もちろん大卒職の厳しい世界でも、生き残れる能力を持っている自信がある人は
行ったほうがいいですが。

なお、高卒の下位10パーセントが大卒のそれより低い理由は、

最低賃金で雇われ続ける障がい者雇用や、
地方零細企業の正社員(田舎では、最低賃金※の日給月給なうえに、ボーナスすらない求人がハロワにいっぱいある。)
※地方では東京よりも100円以上最低賃金が低い

などが下げていると思われます。
「高卒だから」以前の理由があるということ。
高卒→地元に残る可能性が高い→地方零細の正社員になる人がいる→賃金が低い

女性の場合はもっと露骨で
「上位3割のみが年齢に応じて賃金上昇していき、他は下降かよくて横ばい」(無職や非正規も含む)
というデータになっています。
上位3割の多くが未婚者か、公務員、医療系等と考えられます。
大卒の「個人の経済効果」もほとんどないというそれとは別のデータがあったはず。学費を考えると赤字。 稼ぎたいからという理由での進学はあまりお勧めできないのが現状です(未婚を貫く、もしくは公務員や医療系などを目指す場合は別)。
やはり、稼げる仕事(≒激務)は男に集まりやすい現実があります。
もちろん、金以外のものを目当てにするならありですが。