大学へ行ったらどういう選択肢が増えるの?
大学へ行ったら漠然と選択肢が増えると思っている方が結構いると思います。
ただ、文系の場合増える選択肢は限定的です
たとえるなら、高卒が牛丼とラーメンを選べるとするなら、文系大卒はそれに加えて、カツカレーとチーズカレーとビーフカレーとポークカレーが選べるといった感じです
種類は多くても全部カレーやん!ってやつです。
実際は、選択肢が増えると言っても大体営業です。
カレーしか増えないやん!のカレーを営業に直していただければだいたい当てはまるかと。
仕事にはどんな職種があるの?
仕事(雇われて働く)には大きく分けて
「現業職」「総合職」「技術職」
があり、それぞれで必要な学歴が異なります。
たとえば、技術職は理系を採用するので、文系大卒はも応募すらできません。
逆に、文系大学を出て現業職になっても、高卒と変わらない待遇のことが多いです。
これら3つは「働き方」自体が根本的に異なるので、向き不向きもあります。
細かく何になりたいかは決めなくてもいいけど、「どういう働き方をしたいか」だけは決めておくことをおすすめします。
なお、これらに当てはまらない職もありますが、定員がかなり少ないです。
大学教授、スポーツ選手とか。めったになれないでしょ。

現業職

現場で特定のタスクをこなす職業です。
たとえば、トラック運転手は、トラックで目的地まで荷物を運ぶという「タスク」が仕事だし、
店員は、買いに来た客に「物を売る」ことが仕事です。
やることがはっきりしている代わりに、出世をしにくい(したとしても現業職をまとめる程度)、給料が上がりにくいというデメリットがあります。
一般現業職(≒ブルーカラー)
肉体労働(狭義の現業職・ブルーカラー):トラック運転手、工場勤務、建設等の作業員 など
接客等:店員、介護職員、清掃員 など
現業職といえばこれ。「現場で働く」人たちです。
彼ら無しで社会は成り立ちません。
基本、学歴を問わずになれます。肉体労働だったり給料が安かったりします。
非正規雇用の場合も多い(運転士などは例外)
専門現業職
理系の学校で専門知識を身につけたうえで現場で勤務します。
主に高専卒など。意外と需要があるので、高専卒の就職率はかなりいいです。
「技術系総合職」以外で入社して理系にかかわる仕事をする一部理工系大卒もここになるか。
例えば機械の整備役などとして雇われる感じ。
塾講師とかもここになるかもしれない。(営業要素がある場合もあるけど)
理系の専門現業職よりは安定度が低い。
資格系現業職
医療系(薬剤師、看護師、理学療法士など)、美容師、教師 など
大学や専門学校などで資格を取ったうえで現場で勤務します。
待遇は職種による。
医療系は新卒時は高給な代わりに、給料の上昇も限定的なパターンが多い。資格で雇ってるから若くてもベテランでも、雇う側からしたらそれほど差が無いので。
出世も同職種を取りまとめる立場などに限定される。
※開業すれば別だが、ここではサラリーマンに限定する
どの程度給料が高いかは資格による。最低賃金に近い資格から需要が高い資格までいろいろ。
教師は資格を取るだけじゃなく就職試験でもハードルがあったりもするけど。
一般職

いわゆる「事務職」。必要学歴は会社によって異なる。
高卒でも入れるところもあれば、難関大卒がこぞって応募するところもある。
事務、経理、秘書、受付など。
なお、機械化の発展や非正規雇用などにより枠が著しく減っていることは注意が必要。
基本的に女性が求められている(本来は言ってはいけないことなのだが、現実問題としてあるのは事実。これを知らずに突っ込んでいく男子学生は全落ち不可避なのである。)
(事務系)総合職

文系大卒の基本的なキャリア。単に「総合職」と言われることも多い。
大卒の給料が高いのは、総合職の給料が高いからだ。
「売りこむ」(営業)、「会社を管理運営する」のどちらかを主にやる。
基本的に大半が前者の「営業」になる。向き不向きがかなり激しいので、営業に向いていない可能性が高い人には文系大学をお勧めできない。
基本的に答えがないところから結果を出していかないといけない。
(営業でどうやって案件取るかなんて100%正しい答えはない)
だから勉強してきた「大卒」が欲しいのだ。
営業から出世していって、マーケティング、人事等の会社を管理・運営している部署に行くこともある。
ただ、それらの部署に新卒から行くことはできないことが多い。
人間関係に主軸が置かれることが難点。社交性が低い人にはツライ。

技術系総合職
ここでは「理系大卒」に対象を限定しているものについて取り上げる。
文系卒だと応募することすらできない。
理系大学、大学院で学んだ技術を使用して仕事をする。
製品開発をしたり、(ITではない)エンジニアだったりする。
ITエンジニアでも理系卒に対象を限定している、より専門的なものだとここに入ってくる。
たまに営業や専門現業職に回される例もあるらしいけど・・・
これも「資格系現業職」と同様、基本給が高いが(文系ほどは)出世しないパターンが多い。
出世ルートはなくはないが文系的な道になっちゃうことも。
その他
数的には比較的少ないが、それ以外の道もあります。
ただし狭き門です(総合職に該当しない営業職を除く)
クリエイターなどの専門職
デザイナーなどの芸術系、ITエンジニアなど
基本的に才能あるいは能力が必要な職種。なれる人は限られていると思う(特に芸術系)。
総合職に該当しない営業職
「営業職」というだけなら高卒でも募集があります。
ただし、総合職のような出世はない。
基本的にハード。
資格系非現業職
弁護士等の法律系資格など
資格を取るが現場で働くわけではない仕事。営業や折衝要素もけっこうあると思われる。
公務員
公務員は異動でいろいろな仕事をするので、特定のものには当てはまらない気がします。
事務職的なものもするし、現業職的なこともすれば、総合職的なこともするというか。
高卒だと現業、事務寄りにはなるけど。
進路選びはどうすればいいの?
将来の希望が決まっていない人は、
だいたいこういうフローチャートで決めればいいかと思っている。
該当しないなら次の番号へ
- 総合職になりたいか(女子なら一般職も門戸は狭いがOK)
→なりたいなら大卒 - 理系の適性があるか
→あるなら理系 - 専門学校などで手に職をつけるor高卒就職
理系でやりたいことが決まってるとか、クリエイターで生きていきたいとかいう人は大体目標が決まってると思うのでそれ以外。
総合職(≒営業職)が嫌という人は文系に行かないほうがいいと思います。
卒業時に選択肢のなさに愕然とすることでしょう。
どうしても避けるなら、高卒と同じ仕事になることも多いのでそれなら高卒のほうがマシでしょう。
手に職も身につかないので本当に金の無駄ですね。
じゃあ理系ならいいかと言われるとこれも適性が必要です。
合わない人が無理やり理系に行ったら結構厳しいです。
そうなると消去法として高卒就職か専門学校になります。
まとめ
「将来なりたいもの」が決まっていない場合、やりたい職種だけでも決めておきましょう。
(「やりたくないもの」を消していった消去法でも構わない)
総合職になりたいか、現業職になりたいかくらいは。
これは後から転向すると無駄が出るので。
技術系総合職に至っては後からの転向は不可能に近いし。